江ノ屋のお豆とは

焙煎豆江ノ屋の看板猫 江ノがコーヒーを真剣に淹れていて、コーヒーへの姿勢が伝わります

1 焙煎釜の許容量

コーヒーを飲んで胃がムカムカする、食欲が出ない、といった経験はありませんか?

提供価格を安くするために、焙煎釜に許容量以上の豆を入れる大量生産。
この結果お豆一粒一粒の中まで火が通らず、胃がムカムカするような生焼けのお豆に仕上がります。
一口飲んだ瞬間にえぐみが口内を覆い、本来の良い香りは半減してしまいます。

一方で江ノ屋の自家焙煎は、焙煎釜の大きさに対し8割までしか生豆を入れません。綺麗に中まで火が通り、生焼け臭のないクリーンなお豆に焼き上がります。

2 焙煎釜の温度

その日最初に焙煎する際、焙煎釜を一定の温度まであげて焙煎釜を温めます。2度目に焙煎する際は、釜の温度がある一定温度まで下がるのを待ちます。
大量生産の焙煎の場合、時間短縮を図るために温度が下がるを待たずに熱々のお釜に2度目以降の生豆を入れるため、豆の表面が急激に熱くなって焦げた状態になります。

熱々に熱したフライパンで分厚いお肉を焼いたら、外だけ焦げて中は生のまま、なんてことがありますが、コーヒー豆焙煎もお料理と同じ。

江ノ屋では誰よりも美味しい珈琲を焙煎するために、時間をかけることを惜しまないのです。

江ノ屋の看板猫江ノがコロンビアの麻袋と隣同士で座っています

大量の欠点まめがジャーに入っています
ハンドピック後の欠点まめを手の上に乗せています

3 せっかく仕入れた豆を減らす作業

大量生産でコストと人件費を抑えて安いお豆の提供を可能にする大手企業に対し、江ノ屋はお金を払って仕入れた生豆から虫食い豆、かび豆、小さな未熟豆、発酵豆、空っぽの貝殻豆、割れた豆(欠点豆なんて呼ばれることもあります涙)を、人件費と時間をかけて取り除きます。
これがいわゆる ハンドピック です。実はお豆の収穫地でもハンドピックは行われているんです。

では、なぜ?

お料理では、均等に火を通すにはその食材を同じ大きさに切る必要があります。カレーに入った大きなにんじんは芯が固く、細かいものはふにゃふにゃになります。
こんな風に、小さく割れた豆は焦げて悪い苦味となり、未熟豆は青臭くて渋みを出し、空っぽの貝殻豆は強いスモーキー臭を、発酵豆は腐敗臭を、虫食い豆は悪臭を出します。この様なお豆を取り除いてあげれば、その分美味しい珈琲を淹れることができるのです!
焙煎後の大きく膨らんだお豆では発酵豆や未熟豆が見つけやすいので、さらにもう一度ハンドピックを行います。

1万円で10kgのお豆を買い、ハンドピック後に残ったお豆が7kgなら、
1万円で7kgを購入した
ということになります。

この3kgを捨てる作業に時間と人件費を費やして、最高のコーヒー豆を焼いているのです。

4 コーヒー豆を挽くとき

おいしいコーヒーが飲めるまであとちょっとです。
コーヒー豆は粉にしてしまうと空気に触れる面積が増えて酸化が加速し、賞味期間が半減するので淹れる直前にご自宅で挽いてください、ぜひご自宅に小さなコーヒーミルを、グラインダーを買ってください。と、言いたいたいところですがそうもいきません。
江ノ屋ではお豆を挽いたとき粒がきれいに揃う、

MAHLKONIG GH2を使用しています。

また、豆袋に詰めてからは無理に空気を抜きません
これはお豆から出ているきちんと焼けた素晴らしい香りを抜き取ってしまうからです。
ご自宅でも無理に空気を吸い出したりせず、さっと閉めてください。

5 美味しいと思い込む

保存が悪く酸化した1945年のワイン、ロマネ・コンティを「これが最高のワインです」と提供され、それがコルクワインであったとしても「今まで飲んだどれとも違う!高級なワインってこういうものなんだ。」と思い込むように、
「これが日本で有数の焙煎豆」と紹介された豆が生焼けで、焦げた苦味と腐敗した酸っぱさがあっても
「美味しいコーヒーってこういう味なんだ!」と飲み続けると、いつか舌が慣れてきます。

そこで江ノ屋のコーヒーを飲むと、、、「ん?物足りない?」と思うでしょう。それがチャンス!
そのまま数日飲み続け、そして元のお豆に戻ってください。生焼け、腐敗、煙と焦げ、色んなことがわかるはず。

  江ノ屋はその時のみなさんの顔が見たいんです。

6 江ノ屋のオーナーは
ドリップコーヒーが苦手でした

その昔東京でサラリーガールをしていた頃、新聞を煮詰めたようなまっくろなコーヒーを会議でイヤというほど飲みました。最初は胃が痛くなって大変でしたが、いつか慣れてしまいました。
会社員を辞めてから数年後、打ち合わせ先で新聞を煮詰めたコーヒーと再会しました。久しぶりに飲んだ時の衝撃、胃のジリジリ感、胃から戻ってくるいやな匂い、それ以来日本の珈琲を飲みませんでした。
特定の人が淹れるイタリアンエスプレッソだけを飲むこと数年。クリーンできちんと焙煎されたドリップコーヒーを初めて飲んだ時の最初の感想が
「え?胃が痛くない?!いやな匂いもしない!」でした。
そこから毎日一杯だけ、おそるおそろる飲み続けましたが胃は健康。口臭も悪くなりません。気がつけば日に3杯もコーヒーを飲むようになっていました。コーヒーがすごく美味しいと感じるようになったんです。
今ではお豆選定のために1日に10杯も飲む日がありますが、胃痛とは皆無。

この経験を皆さんにもぜひしてほしい!という思いを込めて、丁寧に焙煎をしています。
ぜひ皆さんにこの想いが伝わりますように。本来あるべきコーヒーを知ってもらえますように。

江ノ屋ができるまでのお話しはこちら
 

7 減らない探究心

江ノ屋の探究心は毎日縄張りのパトロールに出る猫と同じ。決して減らない探究心は日々新しい手法を取り入れ、同業の仲間と情報を提供し合い、実際に試し、失敗し、発見を得て、江ノ屋のコーヒーを毎日おいしくしています。

コーヒー豆の焙煎は奥が深く、いつまでも日々勉強です。


進化し続ける江ノ屋の珈琲豆。

お知らせを見逃さないでくださいね!

コーヒー豆を見つめる猫江ノ

8 遊びに来てください

江ノ屋の珈琲豆を、あなた流に淹れてあなたの好きな味にしてください。江ノ屋は「あなたが美味しいと思うコーヒーが美味しい珈琲」という考え。コーヒー豆を買いに来て、トルコ製の美しい焙煎機を眺め、「早く帰ってコーヒーを淹れたい」と思ってくれたら嬉しいです。
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コーヒーを淹れるためには口の薄いカップとケトルが必要です